今年もあと僅かになりました。大掃除に余念のない方も多いと思います。
お口の中の大掃除は大丈夫でしょうか。年に数回歯科医院で、定期的にメンテナンスをしている方は別ですが、しばらくは医者にいっていないと思われている方は、是非お勧めします。
そこで、今回は、「人間はなぜ歯を磨くか」についてお話してみましょう。
人類の歴史で、歯ブラシで歯を磨くようになって長い歳月が流れました。つい最近まで、歯を磨くといえば、たいていに人は朝起きて顔を洗うときしか磨きませんでした。よほど合理的な人でも。夜寝る前に磨くといえば上出来だったのです。むし歯予防に極めて熱心なアメリカでさえ、年配の人たちに尋ねると、若い頃に歯を磨くのは誰でも朝起きて顔を洗うときだけだったということです。
これは世界的な傾向でしたし、肉体的な健康より精神面を重視したものです。つまり、今日一日を清らかに過ごすための、素朴な儀式だったのだと思います。しかし今はもう時代が大きく変わってしまいました。今や私たちの口の中の環境汚染は、想像に絶するほど深刻です。科学的にみれば、歯ブラシを使う目的は、少なくとも二つあります。ひとつは、歯の表面についた歯垢(プラーク)を取り除くことであり、もうひとつは、歯肉(歯ぐき)をマッサージして丈夫にすることです。現代の歯科医学では、むし歯も歯周病もその原因が歯垢(プラーク)であることを明らかにしてくれました。したがって歯ブラシを主役にその他補助用具も使って、歯の表面の清掃を徹底するほど、むし歯や歯周病にかかる危険を遠ざけることができます。
今地球は、温暖化をはじめ急速に環境破壊が進んでいます。同じような環境破壊が自分の口の中で着実に進んでいること知らずにいる人が、あまりにも多いように思います。かけがえのない自分の歯という自然林が次々と破壊されてもその原因には目をつむって、冠やブリッジ、義歯、インプラントなどさまざまの人工林が安易に植えられてはいないでしょうか。健康な口を生涯保ち続けるには、歯ブラシなどを口の中隅々まで届かせるほか方法はないのです。TVのコマーシャルでは、電動歯ブラシ、音波ブラシなど優れたものがたくさん紹介されていますからこれを自分の日常に取り入れるのも一考です。
正しい歯の磨き方、道具の使い方も含めてお口の中の大掃除をされてみてはいかがでしょうか。